透過度
あなた
いったいどこ見てるんですか
それは
俺がいつも飲み込む言葉
桜が舞うあたたかな陽射しの中で
足の裏が灼けるような砂浜で
絵画に入り込んだような色とりどりの木々の中で
何もかもを呑み込むような真っ白な世界で
俺らが集まるときはいつも
あなたは俺じゃない人を見てる
ふと目が合うと
ずっと見てたみたいな顔して笑うけど
俺はね
あなたをずっと見てるから
わかっちゃうんですよ
あなたがいつも
俺じゃない人を探してること
みんなで撮影したこの間のキャンプのビデオ
無駄にでかいテレビ買っちゃったもんだから
ほら
あなたの目が右から左に泳ぐ
わかってますよ
わかってますけども
いちおう、俺
ずっと真ん中にいるんですけどね。
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